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鎌倉聖地巡礼MAP

悠遠の記憶

大正昭和の長谷由比ヶ浜 別荘地時代

鎌倉には全てがある。少なくとも、自分はこの地に求められている。

 

ふっとこの地に足を踏み入れてしまった異能が

鎌倉にはどれほどいるだろう。

 

昭和前半、深い闇から解放されるために

財を成した豪商等の築いた城、邸宅に逗留した

文士や芸術家たち。

尊大な彼らを慰める、ここは不夜城。

 

頼朝の周囲に常に力自慢の御家人たちがいたように

豪商は力士を呼び寄せ歓待する。

実朝が当代一の歌人を呼び寄せ尽くしたように

豪商は文士のインスピレーションを引き起こすための

贅を尽くした邸宅と庭園、南国を模したサロンを整え、

あらゆる望みを叶えようとした。

 

いやむしろ、文士も芸術家もスポーツ選手も、

全ては豪商の見果てぬ夢を身に纏った神だった。

神を侍らせ神に尽くし、見果てぬ夢が夢であることを悟る。

夜毎に繰り返される後悔も、次の夜への期待となる。

異能たちはついにその歓待を受け入れ、目の醒めるような作品を世に送り出すのだ。

 

 

大正昭和、政財界の重鎮と文士、芸術家が集った長谷・由比ヶ浜

 

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